(2015/01/12) コンデンサには材料や構造によって沢山の種類があります。

2枚の金属板(電極)を間隔を開けて(誘電体は空気など)対向させて端子を設けた物がコンデンサの基本です。
この電極間の誘電体にはいろいろな物(セラミック、空気、真空等々・・・)が有ります、また容量を大きくする為や小型にする為に電極や誘電体にもさまざまな工夫をした物(電解コンデンサ・・・など)が有ります。

コンデンサの使用上の注意

電源の整流後の脈流の平滑や電源のデカップリング、信号のカップリング、信号のバイパス、コイルと組み合わせた同調回路、フィルタ、タイミング回路などいろんな所に使用します。

使用出来る電圧に注意(定格電圧が有る)、また電源回路の平滑に使用する時や高周波の電力回路に使用する場合には、流せる電流(交流)に注意します。
使用できる周波数もコンデンサの種類によって違ってきますので、注意します。
使用する環境の温度や発熱(交流電流が流れることによる損失・・・発熱)にも注意します。
極性のあるコンデンサは極性を間違わないこと、間違えると壊れます。

極性を間違ったわけではありませんが、昔当局が高校生の時(JA6YDV鹿町工高アマ無線クラブ)に、TX-88A・振幅変調送信機ファイナルUY-807使用(旧トリオ製)の電源平滑用ブロック型電解コンデンサが破裂したことがありますが、音と白い煙には本当にびっくりした記憶があります。また、製作している無線機の調整中に小さいですが電解コンデンサがピシューという音と共に壊れたこともあります(これは極性を間違えた)。

セラミックコンデンサ(セラコン)

セラコン82pF(温度係数ゼロ)

セラミック(誘電体)を電極で挟んだ構造の物で周波数特性がよく高周波回路のバイパスコンデンサやカップリングコンデンサとして使用しています。
また、温度特性を任意の特性に出来るなど回路の温度補償に使用出来る物もあります。
0.2pF~1μF位まで市販されている。
当局では、高周波回路用バイパスコンデンサ(パスコン)には50V、0.01μF(リード線タイプ)を多量にストックしています。またアキシャルタイプも所有しています。
チップコンはパスコンとしてリードインダクタンスがないので理想的ですが小さいのがネックです、ピンセットで捕まえてもピッと何処かへ飛んでいくHi

電力用セラミックコンデンサ

電力用セラコン

真空管送信機の出力回路などに使用されます。
高耐圧、高電流容量等の特長があります。
セラミックの円盤の両面に電極を蒸着(貼り付けた?)して端子を設けた物

積層セラミックコンデンサ(積層セラ)

誘電体(セラミック)を電極で挟んだ構造の物を多層に積み重ねた物で高周波特性の良い大容量の物が生産されています。チップタイプが主ですが一部リードタイプもあります。他のコンデンサと比較して高絶縁で低リーク、耐湿性などの特長があり等価直列抵抗、等価直列インダクタンス共に小さく高い周波数まで使用出来ます。

スチロールコンデンサ(スチコン)

スチロールコンデンサ

温度特性(温度係数)がマイナスなので、コイルの温度係数と打ち消し合って、発振回路の共振素子として使用すると上手い具合に共振回路の温度係数を小さくすること(温度補償)が可能である。これも少し在庫しています。
自作するアマチュア無線家にとってはありがたいコンデンサです、大事に使います。

ポリエステルコンデンサ(マイラコン)

マイラコンデンサ

特性が良好なのでオーディオ回路や時定数回路などに使用しています。
漏れ電流が小さい。

マイカコンデンサ

マイカコンデンサ

ディップドマイカコンデンサ

誘電体にマイカ(雲母)を使用してあり、昔から高周波回路に使用されています。
小容量から大容量(高周波回路で要求される容量)まで、特に電力用(送信機に使用)等もある。シルバードマイカなど信頼性の高い物もある。

アルミ電解コンデンサ(ケミコン)

電解コンデンサ

コンデンサとしての特性はあまり良くないが容量0.47~数万μF(手持ちの物)耐電圧3~630V位まである。大きさの割に大容量である。
一般に極性(+、-)があり、耐電圧を超えたり極性を間違えると壊れます(多分破裂します、経験有り)
電源回路の平滑回路、低周波回路のパスコンや結合コンデンサとして使用します。一般的に電解コンデサというとこのコンデンサのことです。
他に、無極性の物も有ります(ノンポーラタイプ)

タンタル電解コンデンサ

タンタル電解コンデンサ

アルミ電解コンデンサより小型で周波数特性がよく、漏れ電流も少ない。
電源平滑用やノイズ除去のバイパスコンデンサとして用いられる。
逆電圧に弱く、故障はショートモードなので、周辺の回路に傷害を与えることある。

ペーパーコンデンサ

誘電体として紙(パルプ)を使用しているもので
昔の真空管ラジオに良く使用されていました、今はほとんど使用されていません、製造されていないのでは。

オイルコンデンサ

オイルコンデンサ

絶縁油を含浸した紙を誘電体としたもの
昔は電源回路のフィルタコンデンサとして使用されていた。

セラミックコンデンサ・チップタイプ

セラコン・チップ

セラミックコンデンサですが、110Jの標記がありこれは11pFですよね、何に使おうかな??
UHF・SHFのリグに使うかな。

3端子セラミックコンデンサ

3端子セラミックコンデンサ

高周波のデカップリングに使用しています。

誘電体を挟んだ電極の片側のリード(両側の2本)にフェライトビーズを通して、高周波を阻止し、反対の電極にはリード(真ん中のリード線)を付けてグランドへ高周波を逃がすようにした物です。

バリコン(可変容量コンデンサ)

バリアブルコンデンサと呼ばれ、静電容量(キャパシタンス)を可変出来るようにした物です。

今ではほとんど製造されていません、勿論需要があまり無いからです。
アマチュア無線ではアンテナカプラ真空管使用の送信機やアンテナの整合回路などまだまだ使用例が沢山あります。私の年代(1948年生まれ)ではバリコンが無い事は考えられません。
入手難になって困った物です。

基本的にコンデンサなので、ローター(回転電極)とステーター(固定電極)とから成り調整することにより電極の対向面積が変化(静電容量が変化)するように作られている物がほとんどです。
周波数直線型や容量直線型などがあります。
使用するときは、最小容量、最大容量、耐電圧に注意します。また羽根の変形や羽根の間隔の不揃いにも注意します。

エアーバリコン

エアーバリコン

ポリバリコン

ポリバリコン

ポリプロピレンのシートを誘電体に使ったポリバリコン

半固定コンデンサ(トリマコンデンサ)

半固定コンデンサボックス

一応、種類別容量値別に分類して保管しています。

セラミックトリマ

セラミック上に電極を蒸着し対向する電極を回転して対向面積を変化させて使用します。あまり繰り返して回さないようにします。

セラミックトリマ

フィリップストリマコンデンサ

フィリップストリマコンデンサ

誘電体にフィルムを使用したコンデンサで高周波特性も良い。

エアートリマコンデンサ

エアーバリコンの回転軸が短くドライバにて調整出来るようになっている。

ピストントリマ

セラミック管の内側にネジを切りビスを入れます。また、セラミック管の外側には電極を蒸着します、ビスのねじ込み具合を調整することで外側の電極とネジとの対向面積を調整して容量に調整をします。