(11.272MHz) ※2014/08/17 11.275MHzから変更

概 要:

キャリア発振回路の信号は、11.272MHz、SSB信号の元になる信号です、ただし、次の変調回路(DBM)でこの信号はほとんど無くなり(抑圧される)、上・下側波帯(DSB)だけになります。

TRX_00キャリア発振回路

TRX_00キャリア発振回路

キャリア発振回路(2015/03/07)

キャリア発振回路(2015/03/07)

この回路に要求される事は

1.スプリアス(不要な信号)を含まないこと
2.周波数変動がないこと(周波数安定度がよいこと)
3.出力レベルが適切であること。
この後のDBM(変調・復調回路)に、+10dBm(10mW)が必要です。
回路図の中の電圧や電流の値は計算上少しおかしい所がありますが、測定誤差や部品のばらつきがありますのでご容赦下さい。
2008/07/09追記
R(330)×2.7mA=0.89Vのはずが0.88V R6(100)×10mAは1Vのはずが0.97Vとなっている、私の中では誤差の範囲ですが??Hi

回路図はクリックすると大きくなります(見やすいです)

動 作:

Q2(2SC1907)で11.272MHzを発振します。この回路はVXO回路で水晶発振の周波数を少しだけ可変する事が出来ます。(水晶片の基本周波数の0.1%ほどの可変)Q2の出力でDBMをドライブするには力不足なので、もう一段Q5(2SC1907)で増幅します。その後3dBのアッテネーターを入れて動作の安定化を図っています。
(2015/01/01) T8の2次巻き線は2回巻きの方が良いと思います。

調 整:

まづ、製作したユニットに間違いがないか、よくチェックをします。
調整時の電源には、定電流・定電圧電源(CVCC)を使用し、調整する回路と電源にダメージを与えない様にしています。これで安心して調整できます。

1.+B9V端子に9Vを加えてみます、消費電流が20mA(13mA位)以内であることを確認します。20mA以上の時は、どこかに間違いが有るかも知れないのでチェックします。 異状がなければ、一旦電源をOFFにして次に進みます。

2.まづ、発振回路ですから、発振させることから始めます。 (アンプを作ると発振し、発振器を作ると発振しないことがよくあります)

3.T2の2次側にシンクロスコープ、無ければ、RFプローブを接続します。

4.水晶発振子X1とインダクタンスL2の接続点を、仮にアースに接続します。まず普通の水晶発振として動作させます、これで発振しない物はVXOとしても動作しませんから!Hi)

5.出力が確認できたら、T2(高周波トランス)のコアを少し出し入れして出力が最大になるようにT2のコアを調整します。

6.もし、発振しないならば、T2はいじらずに、Q2のエミッタ電圧を測定して0.8~0.9Vあるか確認して下さい(コレクタ電流を測定してもよい 3mA前後あればよい)、異常があれば、作った回路をもう一度確認します、この時、自分で組立なのでなく、他人が組み立てたと思ってチェックして下さい。

7.それでも発振しないときは、T2はいじらずにC5・C9を増減してみて下さい。 また、水晶振動子に予備が有れば取り替えてみます。

8.それでも駄目なときは、もう一度、回路の確認をします。特にハンダ付け不良には注意をします。

9.ここまでうまくいったら、4番で仮にアースに接続していた所を元に戻します(これでVXOとして動作します)、そして、5番から8番の調整を繰り返して調整します。ここでの調整は7番のC5・C9の増減でOKになると思います。

10.ここまで上手くいたら、2段目の増幅回路の調整をします。

11.T8の2次側に51Ωの抵抗をハンダ付けし、シンクロスコープ、無ければ、RFプローブを接続します。

12.T8のコアを調整して、出力を最大にします。

13.最後に、出力電圧を、2.8Vp-p(RFプローブでは1V)前後になるように、R13を調整して、終了とします。これで出力レベルは、+13dBm(20mW)位になります。
(2015/01/01) 現在ではパワーメーターがあるので調整は楽ですHi