(2015/01/25) 電源トランス
普通、電源トランスとは珪素鋼板を用いて主に商用周波数(50/60Hz)にて使用されるトランスのことを指します。
電源装置、電源回路には必ずと言って良いほどトランスが使われています、リニア電源は勿論、スイッチング電源にもほとんどの物に使われています。
普通、無線機や測定器等の機器は商用電源(交流100V・200V)から電源(エネルギー)を得て動作します。しかし機器の動作に必要な電源は直流です。
もちろん、1次電池や2次電池使用の機器も沢山あります。
真空管使用の機器のヒーター電源(A電源)には交流のまま使用するのが普通です。

リニヤ電源

交流電源をいったん使いやすい電圧(出力電圧に近い電圧)に変換してダイオードで整流し脈流とし、それをコンデンサやチョークコイルを用いて平滑しトランジスタICを使用して安定化して使用します。この交流電圧を変換する物が電源トランスと言われる物です。ケイ素鋼などの板状の物を積み重ねて鉄芯(E・Iコア)に一次巻き線・二次巻き線としてエナメル線などを巻き込んだものが多い、トロイダルコアやカットコアの物もあります。
絶縁トランスは1次巻き線と2次巻き線(2次巻き線は複数有る物もある)があります、2次巻き線にはタップを設けて複数の電圧を取り出せるようにした物もあります)。
非絶縁トランスは単巻き線にタップを設けて(オートトランス)電圧の調整をします、スライダックという商品もあります。

スイッチング電源

交流電源(商用電源)を直接整流・平滑して、いったん直流とし、半導体のスイッチング動作で高い周波数の交流(矩形波)に変換してトランスで電圧を変換し、整流・平滑して直流として安定化します、周波数が高くなると同じ電力を扱うトランスでも小型化が出来ます。主にフェライトコアを使用したトランスが多い。

電源トランス(2015/01/27)(2015/01/27)

高周波を扱う回路にもトランスを使用します。

高周波と言っても100kHz位から上の周波数になりますので範囲も広く、いろんなコアの材料、形があります。
トロイダルコアに巻いた物や、巻き線の中にコアを入れた物など、磁束を集中させて(漏れ磁束を少なくする)インダクタンスを増加させて損失を小さくしたり、外部に対する影響を少なくしたり外部からの影響を受けづらくしています。必要であればシールドケースなどに収納します。
コア材は周波数特性、扱う電力、回路の種類に注意して選択します。同じ周波数でも伝送線路トランスと共振回路に使用するコアは違います。
同調型高周波増幅回路の高周波トランスや負帰還型増幅回路の伝送トランス、高周波電力増幅回路のコンベンショナルトランスや伝送トランス、アンテナなどに使用するバランなど。

古いところでは、AM送信機に使用する変調トランスなどもあります。

真空管式のAM送信機では、1次・2次側共にキロオーム台のインピーダンスのトランスでした。
トランジスタ式送信機の場合は数オームから数100オーム台のインピーダンスですね、昔のCB無線器があるので利用してAM送信機を作ろうかな?

戻る