低周波の発振回路には、帰還型と弛帳型がある。

帰還型は、増幅回路の出力の一部を入力に戻し(帰還又はフィードバックともいう)発振を持続させる。(正帰還)
弛帳型は、コンデンサなど電気を蓄える物への充・放電のタイミングをコントロールすることで信号を得る。

帰還型発振回路

反転増幅器の出力の一部を、位相を反転させて入力に戻して(正帰還)発振を持続出来るようにします。

CR位相型発振回路

下の位相型発振回路はハイパス型で比較的高い周波数向きで、CとRの位相回路が3段で1段当たり60度、3段で180度位相が回転します。
また、CとRが入れ替わった、ローパス型で比較的低い周波数向きもあります。
どちらもトランジスタのベースに入った信号はコレクタ側の出力で反転(反転増幅器)しますので、トータル360度(正帰還)となり、発振を持続することが出来ます。
発振を始める信号の卵は、電源on時のショックやトランジスタアンプの雑音などかと思います??

CR位相型低周波発振回路

位相発振回路の発振周波数の計算 (計算式にlatexを使用してみました)(2015/01/22)

f=\frac{1}{2\pi\sqrt{\mathstrut 6CR}}

f=1/2×3.14×√6×1×10-8×5.1×103
=1/6.28×√6×5.1×10-5
=1/78.45×10-5
=0.012747×105 =1274.7Hz

CR位相型低周波発振回路基板

波形観測風景

SS-7802(オシロ 10MHz デュアルチャンネル)10:1のプローブ使用
=== 実測値 ===
周波数 1340Hz
出力電圧 3.2Vp-p(1.3V)
この後に、レベル調整回路を設けて、今後の実験の信号源にしたいと思います。
勿論ケースに収めて使いやすいようにしないといけません。
この位相型発振回路の他にも、ブリッジ型(ウイーンブリッジ)やLCを使用した物、音叉型(固定周波数)、DDS(ディジタル処理)などが有ります。
キットやメーカー品も所持していますが、実際に組み立てて動作させてみると意外と使える物が出来ます。
簡単な物でも、用途にあった物を作って楽しめるのも自作の醍醐味ですね。

ウイーンブリッジ型発振回路

ウィーンブリッジ発振回路は、バンドパスフィルタと、非反転増幅回路で構成されています。
正帰還側は出力からバンドパスフィルタを通って+入力に、負帰還側は出力から非反転増幅回路の増幅度を決める抵抗を通って、-入力に戻っています。
出力からバンドパスフィルタを通って弱った信号を、非反転増幅回路でA倍に増幅し、全体で増幅度が1の時綺麗な正弦波を出力します。

ツインT形型発振回路

コンデンサと抵抗をT字型に接続することで、ハイパスフィルタとローパスフィルタを構成できます。これらを並列にして位相反転形のバンドバスフィルタを構成し、増幅回路の負帰還として用いることで、正弦波を発生できます。
調整はやや難しいのですが、トランジスタ1石で低周波の正弦波を発生できる数少ない回路のため、簡便な発振回路として用いられます。

ネオン管・弛帳型発振回路

弛張(しちょう)型発振回路は電流のオン・オフに対して、ある条件を与えることで、断続する電気信号を作り出す回路です。
「弛」はゆるむ、「張」ははることで、それを交互に繰り返し発振する意味です。

リレーによる発振回路

リレーのNC接点とコイルを直列に繋いだ回路。
電圧を印加すると、コイルに電流が流れて接点が吸引され、するとコイルは電源から切り離されます。
すると励磁が無くなり、接点は再び電源に繋がれ、最初の状態に戻る。ブザー回路ですね。